原子炉主任技術者とは
- 原子炉の運転に関する保安・監督を行う技術者
- 原子炉毎に選任が義務付けられている(原子炉を運転する事業者に必須の技術者)
受験資格
- 筆記試験(一次)と口答試験(二次)があります。
- 筆記試験(一次)には,受験資格なし。
なお,東京大学原子力専攻(専門職大学院)を修了した者は,「核燃料物質に関する法令」以外の試験科目が免除。また,口答試験(二次)における受験資格要件(実務経験6ヵ月以上)を得ることができます。 - 口答試験(二次)には,6ヶ月以上の原子炉運転実務経験が必要。
- 筆記試験(一次)には,受験資格なし。
試験
- 筆記試験は3月上旬頃,口述試験は7月上旬頃,東京都で実施。
試験科目
- 筆記試験(一次)
- 原子炉理論
- 原子炉の設計
- 原子炉の運転制御
- 原子炉燃料及び原子炉材料
- 放射線測定及び放射線障害の防止
- 原子炉に関する法令
- 口答試験(二次)
- 原子炉の運転を行うために必要な実務的知識
合格率・受験料
合格率が低い
近年の筆記試験(一次)の合格率は以下の通りで非常に難しい資格です。2021年の合格率2.4%で4名しか合格しないとは驚きです。
しかも,科目合格がないため,電気主任技術者等のように2〜3年間かけて取得するということができません。
合格基準が決まっているので,一定の人数しか合格させないという方針ではないと思いますが,昔から比べると明らかに難易度が高くなっていると思います。
①筆記試験(一次)一般受験者合格率
年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017年 | 218人 | 22人 | 4.8% |
2018年 | 195人 | 13人 | 10.1% |
2019年 | 164人 | 10人 | 6.1% |
2020年 | 165人 | 9人 | 5.5% |
2021年 | 165人 | 4人 | 2.4% |
2022年 | 159人 | 6人 | 3.8% |
2023年 | 114人 | 5人 | 4.4% |
一方,東京大学原子力専攻(専門職大学院)を修了すれば,法令以外が免除されるので,ほぼ合格率100%となります。
②筆記試験(一次)東京大学原子力専攻 合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017年 | 15人 | 14人 | 93.3% |
2018年 | 15人 | 15人 | 100% |
2019年 | 16人 | 16人 | 100% |
2020年 | 13人 | 13人 | 100% |
2021年 | 15人 | 15人 | 100% |
2022年 | 11人 | 11人 | 100% |
2023年 | 15人 | 15人 | 100% |
口答試験(二次)は筆記試験(一次)に合格すれば,何度でも挑戦できますが,合格率は14〜32%程度でそれほど高くない状況です。
③口答試験(二次)合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2017年 | 87人 | 12人 | 13.8% |
2018年 | 94人 | 26人 | 27.7% |
2019年 | 89人 | 17人 | 19.1% |
2020年 | 87人 | 25人 | 28.7% |
2021年 | 70人 | 22人 | 31.4% |
2022年 | 75人 | 24人 | 32.0% |
受験料が高い
一次試験(筆記試験)の受験料が52,100円であること,試験会場が東京のみであり,3日間の試験のため,地方の受験生は,交通費と3日間の宿泊費がバカになりません。